仕事のモチベーションは給料で保ったり上げたりすることができます。
そんな給料がやる気に繋がっている場合、昇給なしと言われたらどうでしょうか?
今回は、給料が上がらない会社側の理由や社員が辞めてしまう理由、働き続けるときの対策をご紹介していきます。
昇給なしはモチベーションが上がらない?
給料が上がらないとモチベーションが上がりにくいです。
“仕事はお金を稼ぐためにするもの”と考える方も多く、仕事自体はイヤだけどお金のために渋々働いている方もいます。
そういった方からするとやる気を上げたり、保ったりするのは難しいのではないでしょうか?
また、“昇給=認められる”と考える方もいます。
仕事はしなくてはならないものですが、仕事をする中で自分のやっていることが認めてもらえないとイヤにもなりますよね。
昇給がないことで、自分のやっていることの意味にも疑問を抱くかもしれません。
このように昇給がないことでモチベーションは上がりにくく、最悪の場合は転職を考える人も増えてしまうでしょう。
昇給なしの会社は違法では?
結論から言うと、給料が上がらなくても違法ではありません。
多くの場合は、会社の就業規則が定められています。
その中には「年に一度昇給あり」と記載されている会社もあるでしょう。
しかし、これは「年に一度昇給の可能性がある」という意味で、昇給を確約するものではありません。
ただ、産休などをとったことで昇給がなくなった場合は違法となる可能性があります。
就業規則の中には、給料が上がらない条件に「数か月単位の休みをとった場合」と記載されていることがあります。
産休などは数か月や年単位で休みをとることもあり、これに当てはまると思うかもしれません。
しかし、産休などを理由に不利益な扱いをしてはならないと法律で決められています。
そのため、他に理由がないにもかかわらず、産休・育休をとった人だけが昇給がなかった場合は“違法である”と判断されることもあるのです。
しかし、全体で昇給がなかった場合は、違法とはならないかもしれません。
このように、昇給がないことは違法ではありませんが、産休などを理由に昇給をなくすと違法となる可能性があります。
昇給なしの会社の理由聞くと?
昇給がないと、働く側のモチベーションは上がりにくいです。
しかし、会社の業績などによっては昇給させてあげられないことを心苦しく感じている経営者もいます。
ここからは、会社側が昇給なしとする理由をご紹介していきます。
昇給の余裕がない
例えば、会社の業績が良くなく今の給料を払うだけでも精一杯の可能性がありますね。
給与が上がれば、もちろん社員に払う金額は増えていきます。
それだけでなく、会社側が一部払っている社会保険料などの費用も上がっていくでしょう。
このように会社側の負担が大きくなるために、上げてあげられる余裕がないことが考えられます。
この場合、長期間にわたって業績が悪いようであれば転職も考えておいたほうが良いかもしれません。
最悪の場合、会社が倒産してしまう可能性もゼロではないため、あなたの生活を守るためにも早めに検討しておいたほうが安心です。
もしも、一時的な場合はしばらく我慢するか、転職を検討しても良いでしょう。
昇給の制度がない
制度がない会社は意外にも少なくありません。
その場合は、就業規則や求人票などに「昇給なし」と明記されていることが多いです。
たとえなかったとしても、それは違法ではなく会社側に非はありません。
もしもあなたが給料が上がる会社で頑張りたいと思うのであれば、求人票などに書かれている文言は全てしっかりと見なければなりません。
昇給の制度がない会社は求人票などに書かれていることが多いため、ちゃんと確認しましょう。
ただ、昇給ありと書かれていても、絶対にあるわけではないため会社の業績などもチェックすることが大切です。
もしも、昇給制度がないことを知らずに入社してしまった場合は、転職を検討しても良いかもしれませんね。
賃金形態が違う
例えば、営業やノルマがあるような会社の場合、昇給というかたちではなく成績に応じて上がり下がりすることもあります。
また、年俸制の会社では昇給という概念がありません。
このように賃金形態が他の会社と異なる場合、なしになっていることもあります。
また、昇給の条件の中には勤続年数に応じてある場合もあり、賃金形態が違う会社は一般的な会社と同じように考えてはいけません。
自分の会社がどのような賃金形態なのかをしっかりと理解して判断することが大切です。
本人の能力が不足している
ただ働いていて、勤続年数が長くなれば絶対に給料が上がるわけではありません。
会社に貢献するような実績がない場合、賃金が増えることはないでしょう。
また、遅刻や欠勤などが多い場合も給料が上がる可能性は低くなります。
これらの昇給条件は、会社により異なります。
自分の会社の条件がどのようになっているか確認しましょう。
また、自分自身が会社に貢献するような働きをしていないと思うのであれば、昇給できるような目に見える成果を出さなくてはなりません。
遅刻や欠勤が多い場合は、改善していくようにしましょう。
【昇給なし・賞与なし】正社員を辞める理由は5つ!
昇給がない理由は会社によってさまざまですが、絶対にしなければならないわけではありません。
しかし、それでは社員のモチベーションは上がりにくく、辞めてしまう人も増えてしまいますね。
ここからは、昇給なし&賞与なしの会社を辞める理由についてご紹介していきます。
モチベーションが下がる
お給料はモチベーションを保ったり、上げたりするのに大切です。
新入社員の間はできることも少なく、お給料が少なくても仕方ないと思うでしょう。
しかし、勤続年数が長くなってくると、会社から求められることも増え、責任が重くなることもあります。
それにもかかわらず、昇給も賞与もないとなれば、やりがい搾取と感じてしまうのではないでしょうか。
これではモチベーションが下がって当然ですね。
モチベーションが下がると仕事のパフォーマンスも下がります。
会社にとっても長い目で見たらマイナスでしかないのではないでしょうか。
時間の無駄
仕事をしていく中で、できることが増えることや、後輩ができたり役職がついたりすることは自分の力となります。
しかし、それは責任が重くなることでもあり、昇給や賞与がなければ続けるだけ無駄だと感じてしまう人もいるのではないでしょうか。
特に給与を“モチベーション”や“働く意味”としている人からすれば、昇給も賞与もない会社で働き続ける意味はありません。
時間の無駄なため、さっさと辞めて満足な給料がもらえる会社に転職したほうが良いと思うのは当然です。
最近は、人生の時間の使い方を有意義に過ごすために、見切るのが早い人も増えています。
有意義に過ごすためには、昇給や賞与は大切なポイントとなるでしょう。
ストレスがたまる
仕事を続けていると、任せられる仕事が多くなり業務量が増えていきます。
また、後輩や部下ができて責任が重くなることもあるでしょう。
そういったことにやりがいを感じられるのは、やはり昇給や賞与があるからではないでしょうか。
逆を返せば、昇給や賞与がなければモチベーションは上がらず、ただのやりがい搾取になってしまいます。
これでは自分が“何のために働いているのか”や“頑張っても変わらない”と感じて、働く側はストレスになりますね。
ストレスを溜めた状態では、仕事の成果も上がらず会社にとってもマイナスではないでしょうか。
収入が変わらない
収入に不満を感じて転職する人は少なくありません。
もちろん、現在とても多い給与をもらっている場合は上がらなくても満足している人もいるでしょう。
しかし、給与が低い場合や妥当な給与な場合は、昇給や賞与が働く側のモチベーションになっています。
ましてやこれから先、何十年も同じ収入であると考えると、やる気がなくなるのは当然です。
それであれば昇給や賞与がある会社なんていくらでもあるため、転職を検討しても不思議ではありませんね。
転職しにくくなる
例えば、昇給や賞与がない会社で長年働き続けるということは、単純に考えて本人の年齢も上がっていきます。
年齢が上がっていくことで、転職できる可能性はどんどん低くなってしまうでしょう。
もちろん年齢を重ねてもとても優秀な人であれば転職できるかもしれません。
しかし、そんな人はほんの一握りです。
一般的な人は年齢を重ねるごとに転職が難しくなるため、さっさと見切りをつけることも大切です。
会社で働かなくてはならないのであれば、昇給や賞与がある会社に転職して働き続けるほうが自分のためになります。
今後の自分のことを考えたら、今の不満を感じながら働くことはリスクが高すぎるでしょう。
昇給なしの会社で働きつづける時の対策はある?
昇給なしの会社は、不満を感じて辞めてしまう人も少なくありません。
しかし、転職しようと考えていても、なかなかすぐには難しいこともありますよね?
では、昇給なしの会社で働き続けるためにはどのような対策をとれば良いでしょうか?
賃金形態を確認する
先で紹介したように、賃金形態が他の会社と違う場合は昇給という概念がないこともあります。
また、年齢に応じて昇給の有無が設定されている場合もあるでしょう。
このような場合は、昇給は30代からなどと決められている可能性もあり、働き続けることで昇給していくことが考えられます。
もしもあなたが20代で昇給がない場合は、この30代を目指して働き続けても良いかもしれません。
また、職種によっては営業やノルマがある場合もあり、成績に応じて昇給することもあります。
その場合は、自分の成績を伸ばせるように努力するしかありません。
このように、会社が定める賃金形態によって、もしかしたら働き続けることができる可能性もあるため今一度確認することが大切です。
業績を確認する
例えば、業績が思わしくなく、上げたくても上げられない可能性があります。
この場合、一時的に業績が悪い場合は働き続けることで今後上がる可能性もあるでしょう。
しかし、長年にわたって業績が悪い場合は、倒産する危険性もあるため転職を真面目に考えたほうが良いかもしれません。
会社が上場企業の場合は、証券会社などの「有価証券報告書」を確認すれば業績を知ることができます。
非上場企業の場合は、帝国データバンクのデータを確認しましょう。
業績を確認するときは、必ず過去の分も含めてチェックするようにしてください。
同業他社の水準を確認する
同業他社の給与や昇給の有無などを確認することで、自分の会社と比べることができます。
また、同業他社の業績も合わせて確認することで、自分の会社の将来性を知ることもできるでしょう。
このように他の会社の水準を知ることで、意外とどこも同じような水準で働いていることもあります。
その場合は、“そんなものか”と思って働き続けることもできますね。
ただ、他の会社よりも低い水準の場合は、転職を検討するきっかけにもなるでしょう。
同業他社の水準は、情報交換会に参加したり、口コミサイトをチェックしたりして知ることができますよ。
また、採用エージェントなどに聞いてみるのも良いでしょう。
副業をする
副業をすることで収入が増え、今の会社で働き続けても何とかなる可能性もあります。
近年は日雇いのバイトや家でできる副業なども多数あります。
それらを使用することで、収入を安定させることができるでしょう。
ただし、副業をするということはその分休みが少なくなる、ということです。
それにより本業への影響が出てはいけません。
自分でできる範囲で行うように体調管理などはしっかりと行うことが大切です。
また、会社によっては副業を禁止していることもあります。
その場合に勝手に副業をしていると、最悪の場合懲戒処分になることがあります。
副業が良いかどうかは就業規則などに記載されているため、しっかりと確認したうえで判断しましょう。
昇給なし正社員の退職理由の伝え方は?
昇給なしが理由で退職する場合でも、そのまま伝えるのはよくありません。
正直に伝えても良いですが、引き留められる可能性があり面倒に感じるかもしれません。
また、「昇給するから辞めないでくれ」と言われて残ってみたら、一時的な昇給だけでその後は変わらず、なんてことも考えられます。
これでは、あなたの貴重な時間を無駄にしてしまいますよね?
退職するときは昇給なしが理由であっても、少し言い方を変えてみると良いでしょう。
例えば、「転職をして新たなことに挑戦したい」などと言い換えることで円満退社ができます。
社会人である以上、本音と建前の使い分けは必要です。
「給与が低いから」や「昇給がないから」という理由で辞めるのは間違いではありませんが、伝え方は間違えないように気をつけましょう。
昇給なしだから頑張らないのはOK?
昇給なしだから頑張らないのはNGです。
確かに、給料が上がらないとモチベーションが上がらず、頑張って仕事をする気にはなりませんね。
しかし、頑張らないことで他の同僚たちに迷惑がかかります。
「昇給なしだから頑張りません」なんて、社会人である以上子どものような言い訳は通用しません。
そんな子どものような人がいるだけで、周りのモチベーションにも影響が出るでしょう。
どうしても不満なのであれば、さっさと転職して自分の求める給与をくれる会社に行けば良いだけです。
給料が上がらないうえに会社の言いなりになる必要はありませんが、上がらなくても給与が出ている以上は働く義務があります。
給与が出ている以上は頑張って働かなくてはならず、不満なのであれば転職しましょう。
昇給なしの会社で働くメリットはある?
昇給なしの会社で働くメリットはあります。
例えば、初任給や基本給が高い会社で働いている場合は、給料が上がらなくてもそこまで不満はないでしょう。
また、昇給はなくても賞与を多めにしている会社もあります。
その場合は賞与でカバーできるため、問題や不満はないかもしれません。
こういった状態であれば、現状不満はないでしょう。
ただ、「毎月の給与を増やしたい」と感じている人からすると、長期的に見ると不満になってしまう可能性もあります。
昇給なしのメリットはあるにはありますが、長期的に見たらデメリットのほうが大きいかもしれませんね。
まとめ
今回は、昇給なしの会社についてご紹介してきました。
給料が上がらないことはモチベーションも下がりますが、決して違法というわけではありません。
また、会社によってさまざまな理由があり、上げたくても上げられない可能性もあります。
しかし、給与の不満は退職理由としても比較的多く、辞めたくなる人もいるでしょう。
その場合は、現在の会社の業績や賃金形態、同業他社の水準などをチェックして、辞めるか続けるかを検討することが大切です。
給与に不満があり退職するのは間違いではありません。
あなたの人生の時間を有効に使うためにも、しっかりと考えて行動しましょう。
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