中学卒業時には、卒業文集を書く学校も多いと思います。
しかし、そんな卒業文集は“何をどう書けばいいのか…”と悩む方も少なくありません。
中には書くことがない、なんて方もいるのではないでしょうか?
今回は、卒業文集の例文を中学生向けにポイントと合わせて紹介していきます。
卒業文集の例文を中学生向けに紹介
卒業文集の内容は、何を書けばいいのか分からない方も少なくありません。
基本的には、中学の思い出や頑張ったこと、これからのことを書くことが多いです。
まずは、例文を題材別にご紹介していきます。
中学の思い出について【修学旅行・体育大会】
卒業文集の内容に中学の思い出を書く方も多いですよ。
中学時代だと、修学旅行や体育大会、合唱などさまざまなイベントがありますね。
それらを思い出して、特に心に残っていることや自分の力や学びになったことを書いていきましょう。
タイトル「中学の思い出」
中学での思い出で特に強く残っているのが修学旅行です。
三泊四日の広島への修学旅行は、私は初めて広島に行くこともあり、とてもワクワクしたのを覚えています。
広島ではさまざまな観光をしましたが、一番印象深いのはやはり原爆ドームです。
「多くの日本人が犠牲になった」ということは知っていましたが、ここまでの惨劇が広がっているとは思いもしませんでした。
犠牲になった方々は、どれほどの苦しみを味わったのか。
残された方々の悲しみはどれほどだったのか、など考えさせられることはたくさんありました。
そして、私自身が今現在、どれだけ恵まれた環境で安心して暮らせているのかを改めて実感しました。
原爆ドームで感じた思いは、ここでは語りつくせないほどの苦しさと悔しさと悲しさです。
私たちの祖父母よりも上の方々が築き上げた「平和」を守っていきたいと強く思うようになりました。
さらに、原爆ドームを見学していて感じたのは、海外からの観光客の多さです。
これだけの外国人が日本に関心を持っていることにも驚きましたが、どのような思いで見ているのかとても気になりました。
私は将来、英語を使った仕事に就きたいと考えています。
まだ具体的には決まっていませんが、この修学旅行で感じた広島の悲しみを海外の方に話せるようになりたいと考えました。
それが仕事でなくてもボランティアでも、広島の悲劇を世界中で繰り返さないためにも私は繋げていくことをしたいと思っています。
タイトル「中学の思い出」
私は、中学三年間でたくさんの思い出を作ることができました。
たくさん勉強したことや日常の友人とのやりとりなどは、かけがえのない思い出です。
特に、心に残っているのは中学三年生で行った体育大会です。
私は正直に言えば、そこまで目立つタイプではありません。
思い返すといつも人の後ろを着いていくようなタイプであったと思います。
しかし、そんな自分を変えたいと思い、体育大会の応援団に立候補してみました。
立候補の瞬間のドキドキとした気持ちは今でも鮮明に思い出すことができ、全身から汗が噴き出るような緊張した気持ちでした。
無事応援団に入ったあとも練習のときはいつも緊張していました。
いつもは出したことがないほどの大声を出し、人前でパフォーマンスをするなんてしたことがないからです。
そんな私に団長をはじめ、応援団の仲間が必死にサポートしてくれ、大きな声の出し方や必死にやることのかっこよさを見せてくれたことは忘れません。
皆に引っ張ってもらいながらの練習を経て、本番で精一杯のパフォーマンスができた喜びは何よりも嬉しく、当初のモジモジした自分はいなくなっていました。
体育大会のあと、クラスのみんなが「かっこよかったよ」や「あんな大きな声出るんだね」と言ってくれたことで、私は変われたんだなと実感しました。
初めの一歩は怖かったけれど、この経験がこれから先の私にきっと勇気を与えてくれると思います。
将来の夢について
卒業文集では、思い出だけを書くわけではなく、将来の夢を書く方も多いですよ。
もうすでに明確な将来の夢が決まっている人、まだ何も決まっていない人、どんな方でも将来の夢をテーマに書いて問題ありません。
そんな将来の夢をテーマにした例文をご紹介していきます。
タイトル「将来の夢」
私の将来の夢は、看護師になることです。
私は、中学二年のときに病気にかかり入院生活をすることになりました。
家族もいない、家ではない場所で病気と向き合わなくてはならず、毎日不安で泣きそうになったことを覚えています。
そんなときに私の心を軽くしてくれたのは、ある一人の看護師さんです。
その看護師さんは、毎朝病室のカーテンを開けて検温や体調チェックに訪れます。
朝から元気な声であいさつをしてくれて、検温などを行う間も他愛のない話をして気を紛らわせてくれました。
そして時間ができると話をしに来てくれて、本当に嬉しくてその看護師さんと話しているときは病気のことは忘れられました。
病室に一人でいると、病気の不安もあり、まるで自分はこの世に一人きりのように感じて暗くなります。
家族や友人と話したくても気軽に話ができない環境は、入院患者にとってツラく孤独なものです。
きっと、その看護師さんはそれを分かっていて話に来てくれていたのでしょう。
私が退院するときにはとても喜んでくれて「これからも頑張ってね」と優しい言葉をかけてくれました。
退院後、ツラかった入院生活も思い出しますが、同時に明るく笑顔のあの看護師さんも思い出します。
そしていつからか、私もあの看護師さんのように患者さんに寄り添える看護師になりたい、と考えるようになりました。
今はまだ具体的ではないかもしれませんが、看護師になるために高校でも勉強を頑張りたいと思っています。
部活・クラブ活動について
中学に入ると、部活やクラブ活動が本格的に始まりますね。
運動部から文化部まで、さまざまな部活があり、時にツラく時に楽しく時間を過ごしたでしょう。
そんな部活での思い出を卒業文集に書く方も多いです。
部活やクラブ活動で頑張ったことや起きたこと、学びなどを文集に書いてみましょう。
タイトル「部活の思い出」
私は、中学三年間バスケ部に所属し、中学二年の夏からは部長として皆を引っ張る役割を担いました。
バスケ部での思い出は、練習やさまざまな大会など数多くあります。
中でも特に心に残っているのは、中学三年最後の大会前のことです。
私は部長として皆を引っ張り、鼓舞しなければならないと張り切っていました。
そのため、早朝練習や夜遅くまでの練習も積極的に提案して実施してきました。
部員の皆が疲れていることにも気づかず、一人で突っ走っていたのです。
ある日の部活で同学年の〇〇が言いました。
「皆が疲れているのが分かるか?大会で勝ちたいという気持ちは皆一緒だ。だけど、今のままでは大会に勝つどころか大会前に潰れてしまう。」と。
私はすぐには理解できませんでした。
しかし、周りを囲む皆の顔を見渡して思ったのです。
「久しぶりに皆の顔をちゃんと見た気がする。」
私は、一人で突っ走るあまり皆の顔すらもちゃんと見れていなかったのだと気づきました。
また、皆の疲れ切った顔を見て、自分が間違っていたことに気づき、申し訳なさと恥ずかしさで感情がぐるぐるしました。
その場で皆に謝罪をしました。
皆はこんな自分を責めることなく、むしろ感謝の言葉を述べてくれたことに驚きました。
そして、良い仲間に恵まれたことに感謝し、皆で楽しんで大会に出たいと思うようになりました。
勝つことを諦めたわけではありませんが、気持ちに変化が見えたことでプレーにも変化が現れました。
皆が今まで以上に積極的にコミュニケーションをとり、前よりも連携したプレーができるようになったのです。
結果、今までの大会よりも良いパフォーマンスと結果を得ることができました。
あの時、勇気を出して言いにくいことを言ってくれた〇〇や、愛想をつかすことなく一緒にプレーしてくれた仲間には感謝してもしきれません。
この学びは一生は忘れることはなく、私の一生の宝となると感じています。
尊敬する人について
中学の卒業文集では、思い出や今後のことを書く方が多いですが、中には尊敬する人について書くこともあります。
尊敬する人は、身近な人でも良いですし、歴史上の人物でも構いません。
その尊敬する人から何を学び、自分はどうしていきたいのかを文集に書いてみても良いでしょう。
タイトル「私の尊敬する人」
私の尊敬する人は、私の母です。
私の家は母子家庭で、父は私が幼い頃に病気で亡くなりました。
私には兄弟もいて、兄が一人、妹が一人いる三人兄妹です。
そんな家族を支えるために、母は朝から晩まで働いています。
今ではすごいことだと思えますが、小学生の頃は家に帰ると母親のいる友人を羨ましく思うこともありました。
そんな感情が募り、母に反抗したりひどい言葉を吐いたりしたこともあります。
未だに、言われた瞬間の悲しいような申し訳ないような顔した母を思い出すと、申し訳なさで胸が苦しくなります。
お母さん、あのときは本当にごめんなさい。
お母さんが必死で私たちを育てようとしてくれたこと今なら分かります。
一馬力で三人の子どもを育てるのは、私の想像以上に大変だったことでしょう。
それでも、いつもシワのないシャツ、毎日作ってくれたご飯やお弁当、キレイな部屋、その全てがお母さんの努力や愛情だったんだね。
私は、そんなお母さんを本当に尊敬しています。
お母さん、私中学を卒業するよ。
お母さんのおかげだよ。
高校生になったら私もアルバイトをしようと思っています。
大した足しにはならないかもしれないけど、自分のものは自分で買いたいし、お母さんの役に立ちたいです。
いつか私が大人になってちゃんと仕事ができて恩返しできるまで、もう少しよろしくお願いします。
卒業文集のパクリは中学ではNG?
卒業文集のパクリはやめておいたほうが良いでしょう。
なぜなら、多くの人の目につく上に形として残るからです。
卒業文集は主に、卒業生とその親、先生が見ることができます。
多くの人の目につくためにパクリであることがバレてしまう可能性があります。
また、卒業文集は製本されて配られ、いつまでも形として残ります。
パクリがバレてしまうと、“文章をパクったやつ”というレッテルを貼られ、いつまでも言われてしまうかもしれません。
全く気にしないのであれば良いですが、基本的にはパクるのはやめておいたほうがベターです。
中学生が卒業文集を書くポイントは4つ!
卒業文集は書く内容が決まっても、どのように書いていけばいいか分からないこともありますね。
例文もご紹介しましたが、以下のポイントを抑えて書くとオリジナルの文章を書くことができますよ。
ポイントは全部で4つありますから、それぞれ詳しく見ていきましょう。
テーマを決める
まず、卒業文集を書き始めるにあたってテーマを決めなくてはなりません。
一般的に卒業文集のテーマとして採用されやすいのは以下の通りです。
- 運動会(体育祭)・スポーツ大会・マラソン大会
- 文化祭(学園祭)・音楽祭(合唱コンクール)
- 部活(クラブ活動)・委員会(生徒会)活動
- 修学旅行・遠足
- 尊敬する人・将来の夢・これから頑張りたいこと
これらのテーマから選びますが、学びを得たものや将来に繋がることが書けそうなテーマを選ぶと書きやすくなります。
例えば、「文化祭でクラスメイトと共に頑張ってこんな学びを得た」や「部活でこんなツライことがあったが、結果将来の夢を見つけた」など、テーマから繋げて書けそうなものを選ぶと書きやすいですよ。
テーマの中で書きたいポイントを箇条書きにする
テーマの中で書きたいポイントがいくつかある場合は、箇条書きにすると読みやすいですよ。
例えば、部活での思い出をテーマに書くのであれば…
私が三年間の部活で特に思い出に残っているのがこの三つです。
1つ目は…………….です。
2つ目は……………..です。
3つ目は……………..です。
このように箇条書きにすることで、書きやすくなると思います。
また、いくつもあるポイントをダラダラ書いてしまうと何を伝えたいのか分かりにくいです。
箇条書きにすることで読み側も読みやすい文章に仕上がります。
1つ目は~です。のあとには、具体的な内容と理由を書いていきましょう。
書きたいポイントが複数もなく、1つのポイントだけで書きたい場合は箇条書きにする必要はありません。
起承転結を意識して構成を考える
授業でも作文を書く機会があり、知っている方も多いと思いますが、文章の基本は「起承転結」です。
敢えて説明すると起承転結はこのようになっています。
- 起…物語やお話の始まりを説明
- 承…物語やお話が何かが起こり進んでいく
- 転…物語やお話が別のことへ展開する
- 結…物語やお話の終わり
この流れを意識して、文章の構成を考えていきます。
例えば、部活で頑張ったことを書きたい場合は以下のような流れになります。
- 起…私は、サッカー部でキャプテンを務めることができた
- 承…サッカーは初めてでしたが、毎日練習に励んだ
- 転…中学二年のときにこれまでの努力が実を結び、キャプテンに選ばれた
- 結…努力をしたことで自分に自信がつき、これからの生活でも力となる
まず、文章の始まりで話の内容をざっくりと説明していきます。
その後、どうしてそうなったのかを詳しく説明していきます。
このときに時系列で説明しても良いですが、ダラダラ書かないように注意しましょう。
詳しい説明のあとは、何が起きたのかを書いていきます。
そして最後に得た学びなどを書いてまとめていきましょう。
難しく感じるかもしれませんが、例文などを参考にしながら考えてみてください。
四文字熟語やことわざをいれる
卒業文集では、言葉選びも大切です。
しかし、あまり語彙力がない方などは作文を書くのが苦手だと思います。
そんなときは、感情や状況を表しやすい四文字熟語やことわざを入れると良いかもしれません。
世の中にはたくさんの四文字熟語やことわざが存在します。
それらを取り入れるだけで知性を感じさせることもできるため、ぜひ取り入れてみてください。
中学生向けに卒業文集の書き出しを提案
文章の始まりは、文章を書くなかで一番大変かもしれません。
しかし、書き出しさえ決まってしまえば、意外とすらすらと書けてしまうこともありますよ。
書き出しの例文としては以下のようなものがあります。
- 私は、中学校三年間で〇〇を頑張りました。
- 私は、高校に入ったら〇〇に力を注ぎたいと考えています。
- 私にとって尊敬する人は〇〇です。
- 私はこの中学三年間で得た宝を一生大切にしたい。その宝とは…….
一般的には「私は~です。」といった文章から書き始め、続いて理由や状況を詳しく説明する「承」に移っていきます。
書き出しのレパートリーはいくつか用意しておくと、書き続けられなくなったときに変更することができて便利です。
意外と書き出しを変更してみたら、書きやすくなることもありますよ。
中学生の卒業文集のネタを紹介
中学生の卒業文集は全員が書くため、何人も同じテーマになることはよくあります。
しかし、人と違うものを書きたいと望む方もいるかもしれませんね。
そんな方は、これから紹介するネタを使って文集を書いてみてください。
面白いネタ
卒業文集で面白いネタは以下のとおりです。
- 黒歴史→中学時代の恥ずかしい歴史を敢えて暴露しましょう。
- 隠されたメッセージ→普通の作文に見えて上の文字だけとるとメッセージが表れるようにすると面白いですね。
- 空想話→「もしもゴジラが表れたら」や「もしもドラえもんがいたら」など空想話から話を膨らませてみましょう。
- 失敗談→失敗から美談になるような話ではなく、笑えるガチの失敗談がおすすめです。
- 先生への言葉→仲の良い先生や学校の先生一人一人に一言メッセージを書いても面白いですね。
- プライベートで励んだこと→推し活やゲームなど、学校生活以外で精力的に取り組んだことも良いでしょう。
一般的なテーマでは書けない方や人と違うテーマで書きたい方は、上記のようなテーマを使って書くと面白く書くことができます。
また、面白いテーマであれば難しく考えることなく書くことができるでしょう。
感動するネタ
感動するようなテーマで書きたい方は以下のようなテーマがおすすめです。
- 感謝の手紙→親や先生などお世話になった方へ手紙形式で文集を書いてみても良いでしょう。
- 将来の自分へ→将来の自分へ手紙形式で書いてみてください。何年後かに見返したときにきっと感動するはずです。
- 名言集→感動系の名言を集めて自分なりの感想も含めて書いても面白いですね。
文集が出来上がってすぐに感動できるものならば、親や先生への感謝の手紙が一番です。
また、数年後読み返したときに感動したい方は、将来の自分へ手紙を書いてみると良いでしょう。
「卒業文集 例文 中学生」を調べている人がよく思う質問
まとめ
今回は、中学の卒業文集の例文をご紹介してきました。
卒業文集は廃止になる学校もありますが、未だ多くの学校で卒業シーズンに制作されています。
卒業文集に載せる作文は生徒が各々書きますが、何を書いて良いか分からないこともあります。
そんなときはポイントを押さえ、例文を参考にしながら書き始めてみてください。
難しく考えることはありません。
あなたが書きたいことを得られたことに結びつけて書けば大丈夫ですよ。
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