皆様は浄土真宗という宗派をご存知でしょうか。
浄土真宗は大乗仏教の宗派の一つで、信者数も日本一となっています。
この浄土真宗ですが、ネット上では「やばい・怪しい」と言われているようです。
どうして「やばい・怪しい」と言われているのでしょうか。
浄土真宗に独自の風習や教えがあるのであれば気になりますね。
今回は、
・浄土真宗がやばい・怪しいと言われる理由
・浄土真宗はどんな宗派なのか
・浄土真宗でしてはいけない5つのこと
などについて解説します。
浄土真宗はやばい?怪しいといわれる3つの理由とは?
ネット上では、浄土真宗について以下ような投稿が複数みられました。
なぜ浄土真宗は「やばい・怪しい」と言われているのでしょうか。
そこには、これから紹介する3つの理由が関係していると考えられます。
念仏を唱えたら何でもOKという教え
一部の浄土真宗の僧侶は「念仏を唱えれば救われる」と発信しています。
一般の人々がこの発言を聞いて「念仏を唱えたら何でもOK」と誤解して「やばい・怪しい」と言われているのかもしれません。
通夜や葬儀の風習が独特
浄土真宗は通夜や葬儀の風習が独特です。
具体的には以下のような風習があります。
・位牌を作らない
・故人に冥福を祈らない
・香典に「御霊前」と書かない
・線香を立てない
・「死装束」がない
・「末期の水」を行わない
これらの風習は、主に浄土真宗の「亡くなった人はすぐに成仏する」との教えを元に行われています。
ただ、浄土真宗の教えを知らない人がこれらの風習を目の当たりにして「やばい・怪しい」と感じても無理はないかもしれませんね。
信者が多く歴史的にも印象深い出来事が多い
文化庁実施の「宗教統計調査」によると、浄土真宗は日本で信者数が一番多い宗派(約2200万人)となっています。
浄土真宗の次に信者数が多い日蓮宗(約1000万人)の約2倍の信者数なので、あまりの多さに「やばい・怪しい」と疑う人もいるかもしれません。
また、浄土真宗には「悪人正機」(=悪人が救われる)との考えがありますが、遥か昔、この考えを曲解し、悪事を働く人が多く現れてしまいました。
この出来事の一部だけが言い伝えられ、浄土真宗は「やばい・怪しい」と言われているのかもしれません。
浄土真宗はどんな宗派?
ここまで浄土真宗がやばい・怪しいといわれる理由を解説しました。
そもそも浄土真宗はどんな宗派なのでしょうか。
浄土真宗の概要・開祖・教えを解説します。
概要
平安時代終盤から鎌倉時代序盤にかけて、武士が大幅に勢力を拡大しました。
これに付随して仏教改革も行われ、その中で鎌倉新仏教として浄土真宗は誕生しました。
室町時代終盤には応仁の乱に巻き込まれ、総本山の本願寺などが甚大な被害を受けましたが、地方の武士や大名の協力・信仰を得て再興し、現代に至ります。
開祖
浄土真宗の開祖は、浄土宗の僧侶だった「親鸞」です。
親鸞が師として慕っていた「法然」の教えをさらに深め、己を高めるために浄土真宗を開きました。
浄土真宗が開かれた当初、親鸞は自分を開祖とした運営をするつもりはありませんでした。
親鸞が亡くなった後、弟子たちによって宗派として運営されるようになったと言われています。
浄土真宗の本尊は浄土宗と同じく「阿弥陀如来」です。
どんな教え?
非常に簡単にはなりますが、浄土真宗の教えをいくつか紹介します。
平生業成
・生きている今現在を大切にする
・人生において目的にすべきは、幸せになること
他力本願 ※他力とは「阿弥陀如来の力」のことで「他人の力」ではない
・阿弥陀如来への信心によって救われる
・「救われよう」と思うのではなく、信心そのものが大切
悪人正機
・仏はほんの小さな悪行も見逃さないので、人は皆悪人である
・善人はもちろん救われるが、悪人も救われる
浄土真宗でしてはいけない5つのこととは?
ここまでの解説で、浄土真宗への理解が深まってきたのではないでしょうか。
最後に浄土真宗でしてはいけない5つのことを紹介します。
浄土真宗の親戚・知り合いがいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
先祖を供養する
浄土真宗において、亡くなったらすぐに仏になるとされています。
そのため、先祖を供養することはありません。
具体的には、お盆の迎え火・送り火などをしないようです。
喪中はがきを送る
浄土真宗では喪中、忌中といった概念が存在しないので、喪中はがきを送りません。
そのため、どんな年でも年賀状を送っても良いこととなります。
中には、不幸があった年には年賀状を送らず「年賀欠礼はがき」を送る人もいるようです。
般若心経を唱える
般若心経には己の力で成仏を目指すことが書かれていて、浄土真宗の「他力本願」とは異なります。
そのため浄土真宗は般若心経を唱えません。
ネット上では、浄土真宗が般若心経を唱えないことに衝撃を受けた方もいらっしゃいました。
神を信仰する
神を信仰するのは、浄土真宗においてはしてはいけないこととされています。
そもそも仏教において、神を信仰するのは「鬼神信仰」にあたり、やめたほうがいいものとされています。
ただし、戦争中に政府が神棚を置くのを強制したため、浄土真宗の家庭でも神棚が置いてある場合もあるようです。
占いを信じる
大安や仏滅などで知られる六曜は、その日ごとの運勢を占うものですが、浄土真宗の「他力本願」とは異なる考え方です。
そのため、六曜は浄土真宗ではしてはいけないことと言われています。
六曜以外にも、手相やタロットカード、星占いなど、日本で一般的に行われている占いもしてはいけないことと言われています。
クリスマスなどの外的イベントはNG
浄土真宗の開祖「親鸞」は仏教以外の教えを行うことを勧めていません。
そのため浄土真宗はクリスマスをはじめとした、他宗教の外的イベントへ参加しません。
外的イベントは他にも、イースター、ハロウィンなどが挙げられます。
「浄土真宗 やばい」を調べている人がよく思う質問
まとめ
非常に簡単にはなりますが、浄土真宗について解説してきました。
浄土真宗はやばい・怪しい宗教ではなく、歴史のある大乗仏教の宗派です。
浄土真宗が「やばい・怪しい」と言われているのは、他の仏教とは風習や教えが異なるが故に、浄土真宗をあまり知らない人に誤解をされているからだと考えられます。
今回の記事を通して、浄土真宗への理解をより深めていただければ幸いです。
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